そもそもオセロは、将棋やチェスと同様に、完全情報ゲームに分類されます。つまり、両プレイヤーが常に同じ情報を共有しており、運の要素が排除されています。この特性により、プレイヤーの実力が直接的に勝敗に反映されます。完全情報ゲームであることが、オセロの競技性を高めている要因の一つです。
置く場所が8×8の64マスで、さらに初期配置で4マス使っているため残りは60手。これをお互いにやり取りしていくため一手毎に着実に期間が減っていきます。特に序盤であれば体制を立て直す手段もありますが、終盤になるにつれ徐々に勝敗が確定してきます。よって、最後の一手による逆転という物は有りえないゲームで、勝負が決まる中盤あたりまでお互いの緊張感は強くなっていくゲームです。詳細は後述します。
実際に打てる手順と勝敗が決する期間にズレのあるゲームです。
9×9や10×10ではオセロはあまり面白くならないでしょう。8×8に大きな理由があります。中央の4マスを最初に配置することで、上下左右に3マスの空きスペースが生まれます。人間が無意識に認識できる数は3なので、どう伸ばすかに自然と注意が向きます
それと同時にどちらに伸ばすかは4方向であるので、こちらは常に意識になければなりません。もし10×10であれば、認識の穴が生まれるのに加え、手数、考える時間が必然と増えます。60手と96手の差は1.5倍ほどあり、プレイ時間は2倍以上になるでしょう。
中央の4マスに初期配置することで、上下左右に3マスの空きスペースができるのは重要なポイントです。この初期配置により、プレイヤーは初手から戦略を考えることができます
私がオセロを好きなのは、可逆性と不可逆性が共存しているところです。まぁこれは他のボードゲームでもそういうのあるけど…。オセロは、一手ごとにコマが反転し、盤面の状況が大きく変化します。この可逆性により、ゲームの流れが劇的に変わることがあり、常に緊張感が維持されます。一方で、角に置かれたコマは二度と反転しないという不可逆性もあります。この可逆性と不可逆性の共存が、オセロの戦略性を深めています。
リスクとリターン
セロは、シンプルなルールの中に、リスクとリターンのバランスが絶妙に組み込まれています。自分の色を増やすためには、相手の色を挟む必要がありますが、それは同時に自分の色が挟まれるリスクも伴います。このバランスにより、プレイヤーは常に慎重に手を選ばなければなりません。
そのリスクとリターンは、時間で比例します。
なぜか
オセロは、ゲームの進行に応じて戦略が変化します。序盤は、コマを展開し、有利な位置を確保することが重要です。中盤では、相手の戦略を読み、自分の優位性を維持・拡大することが求められます。終盤では、残り少ない手数で、いかに多くのコマを確保するかが勝負を決定づけます。